サイバーセキュリティや人工知能(機械学習等)を中心に、最新技術を研究しています。
サイバー・セキュリティの最新動向を、独自の切り口でレポートする著者の3作目。
これまでの2作は比較的「読み物」調で書かれていましたが、今回は著者がかつて自衛隊勤めだったという経歴から、いくぶん固い文体で国際的なサイバー攻撃を時系列に織り込みながら、「戦争論」というカタチで自論を展開しています。
これまでの戦争のカタチにサイバー戦がどういう風に関わるのか、どういう風に影響を及ぼすのかを、専門家の視点で分析しています。
法的な制約が皆無でやりたい放題の攻撃側と、戦争と言えど国内外の法律に縛られる防御側では、その攻防の結果は日を見るより明らかです。
著者が「あとがき」の最後で述べておられる、
「サイバー戦争はすでに始まっている。そしてこの戦争では守っているだけでは必ず負けてしまう。」
「日本の防衛は、防衛省だけでは実施できない。」
「政府から民間まで、その力を総合的に融合させ、日本を守るための仕組みを早急に構築する必要がある。」
これが現時点での真理だと私も思いますが、日本という国は大震災のように致命的な痛手を受けてからでないとマジメに対策しないので、机上の空論に終わるのが現実なんだろうとも思います。
余談ですが、前著「サイバー・インテリジェンス」の書評で、私が伊東市の次回作は 2020 年であろうと予測したのですが、見事にハズれました(笑)。
嬉しい誤算ではありますが。
氏の次回作に期待しています。
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記述に際しては、細心の注意をしたつもりですが、間違いやご指摘がありましたら、こちらからお知らせいただけると幸いです。